Zoom Contact Center 向け WhatsApp Business メッセージ連携による顧客リーチの拡大

WhatsApp Business メッセージ連携

今日の顧客コミュニケーションは、メッセージ アプリ、メール、ソーシャル メディアなど、複数のプラットフォームにわたって行われています。効果的なサポートを提供するために、企業は顧客が望むチャネルを用意する必要があります。

 

このガイドでは、上記プラットフォームの連携をセットアップするプロセスについて説明し、貴社が Zoom の優れたコンタクト センター機能を利用しながら、WhatsApp の膨大なユーザーベースを活用できるようにします。

用語

WhatsApp Business プラットフォーム:

WhatsApp Business プラットフォームは、Zoom のような WhatsApp Business ソリューション プロバイダーと連携することで、企業にメリットを与えるクラウドベース メッセージ ソリューションです。

WhatsApp Business アカウント(WABA):

WhatsApp Business アカウントは、特に企業が WhatsApp メッセージ プラットフォームを使用して顧客とコミュニケーションをとるために設計されたアカウント タイプです。

WhatsApp Business プロフィール:

WhatsApp Business プロフィールは、WhatsApp Business を利用する企業向けの詳細なプロフィールです。これにより、顧客が企業の関連情報へとスムーズにアクセスでき、コミュニケーションと信頼性を高めることができます。

Business ソリューション プロバイダー(BSP):

WhatsApp Business ソリューション プロバイダー(BSP)は、WhatsApp によって WhatsApp Business API へのアクセスが許可されたサードパーティ企業です。

Zoom は、WhatsApp Business ソリューション プロバイダー(BSP)として認定されています。

前提条件

次の要件を満たしていることをご確認のうえ、開始してください。

 

  • Zoom Contact Center
    管理者特権付きアカウントがあることをご確認ください。

    • ライセンス:

      WhatsApp などのソーシャル メッセージ チャネルには、Zoom Contact Center プレミアム / エリートが必要です。

    • エージェント

      すでにエージェント ロールが設定されている Contact Center ユーザーであることをご確認ください。

     

  • Zoom Marketplace へのアクセス権:

    Zoom App Marketplace への管理者アクセス権が必要です。

 

      • Meta に関する前提条件:

        • WhatsApp Business アカウントに関連付けられた有効な電話番号が必要です。

          • 国際通話を受信する固定電話番号

          • モバイル番号

          • Zoom を介して購入した音声 / SMS 対応のバーチャル サービス番号(VSN)- 本リリース時点では、米国、英国、オーストラリアの番号がサポート対象です。

           

        登録する電話番号で国際通話 / SMS を受信できる必要があります。この電話番号は、別の WhatsApp ユーザー / アカウントに未登録の番号を選択してください。すでに他の場所で WhatsApp 番号を使用しており、その番号を Zoom Contact Center で再利用する場合は、WhatsApp Business アカウントから WhatsApp 番号を削除してください

         

詳細な手順

Meta アカウントのセットアップとユーザーの追加

 

  1. WhatsApp Business アカウントを作成し、そのアカウントを認証します(または既存のアカウントを使用します)

  2. ビジネス アカウントにユーザーと権限を追加します

WhatsApp Business の既存アカウントと新規アカウントでは、Zoom を BSP アカウントとして選択する必要があります。

Zoom App Marketplace 連携のセットアップ

 

Zoom Contact Center と Meta 間の連携構築

  1. 管理者の認証情報を使用して Zoom App Marketplace にサインインします。

  2. 検索ボックスを使用して、WhatsApp Business Connector アプリを見つけます。

  3. アプリのアイコンか名前をクリックして、アクセスします。

  4. [コネクタを作成] をクリックします。

  5. 新しいウィンドウが開き、Meta から WhatsApp 埋め込みサインアップ フローが読み込まれます。


    1. Meta 管理者の認証情報を入力し、[[YourAdminAccount] として続行] をクリックします。

    2. 次のページでは、連携に必要な権限について説明しています。[開始] をクリックしてください。

    3. 以前に作成した WhatsApp Business アカウント(Meta に関する前提条件を満たすもの)を選択します。または、このページから新しいアカウントの作成プロセスを開始できます。

WhatsApp Business アカウント(WABA)を Zoom のような Business サービス プロバイダー(BSP)と共有する場合、1 つの BSP に対して 1 度にリンクできる WABA は 1 件だけです。そのため、Zoom 用の新しい WABA を作成するか、現在の WABA から既存のお支払い方法を削除して続行してください。

  1. 次のステップでは、新しい WhatsApp Business プロフィールを作成し、WhatsApp Business プロフィールに関連付ける電話番号を認証します。この番号は貴社のブランドに関連付けられ、ユーザーはこの番号を使用して個別の WhatsApp アカウントから貴社のビジネス プロフィールを見つけてメッセージを送信できるようになります。

  2. 上記の手順を完了すると、コネクタのステータスを確認できます。

  3. 認証後、Meta アカウントと Zoom Contact Center 間の接続が完了します。

 

ユーザー体験の構築

 

メッセージ キューの作成

(すでにメッセージ キューが作成されている場合は、この手順をスキップできます。)

ユーザー インタラクションを処理するメッセージ キューを作成します。

    1. [コンタクト センター管理]、[キュー] の順に移動して、[+ キューを追加] をクリックします
    2. 既存のエージェントをキューに追加し、[保存] をクリックします

任意: キュー設定をニーズに合わせてカスタマイズします。

 

WhatsApp Business フローの作成

 

こちらのフローを使用すると、ユーザーに完全なセルフサービスを提供することも、ユーザーを直接キューにルーティングすることもできます。また、情報を収集してそのユーザーを評価してから適切なエージェントにルーティングすることも可能です。

 

次に示すのは、リクエスト タイプを評価してからユーザーを適切なキューにルーティングするフローの例です。

開始:

[開始] ウィジェットは、インタラクションを開始するワークフローのスタート ポイントです。これは、カスタマー インタラクションのエントリ ポイントの定義に使用され、その後のアクションとプロセスのステージが設定されます。

 

メディア送信:

[メディア送信] ウィジェットを使用すると、管理者は自動メッセージを送信できます。上記の例では、ユーザーからメッセージを受信すると、以下の初期対応メッセージを自動返信します。

 

「こんにちは!👋

お困りごとがございましたら、何なりとお申し付けください。24 時間年中無休でサポートいたします。また、ライブ エージェントにおつなぎすることもできます。」

 

情報収集:

[情報収集] ウィジェットは、ユーザーからの情報収集に使用されます。このデータを使用することで、情報に基づく意思決定を下し、インタラクションを適切にルーティングできます。上記の例では、次のメッセージを表示するためにこのウィジェットが使用されています。

  • 営業 🧾 関連のお問い合わせは 1️⃣️ を押してください

  • サポート 🙋🏼 が必要な場合は 2️⃣ を押してください

 

条件:

[条件] ウィジェットは、ワークフロー内の特定条件の評価に使用されます。評価に基づいて、インタラクションをさまざまなパスにルーティングし、カスタマイズされた応答とアクションを可能にします。[情報収集] ウィジェットから収集された値を確認し、インタラクションを 2 つの異なる宛先にルーティングします。

  • 値が 1 の場合: Route_to_Sales

  • 値が 2 の場合: Rout_to_Support

 

宛先

[宛先] ウィジェットは、カスタマー インタラクションをコンタクト センター内の適切なフロー、キュー、エージェントにルーティングするために使用されます。これにより、顧客の問い合わせが最適なエージェント / グループによって処理されるようにします。

 

上記の例では、[宛先] ウィジェットはどちらとも同じキューにルーティングされますが、実際のシナリオでは、各ルーティングの宛先は別々に設定する必要があります。

必要に応じて、事前設定済みバージョンをアップロードする場合は、以下の JSON ファイルを新しいフローとしてインポートできます。

 

WhatsApp for Business.json

WhatsApp 対応の電話番号を新しいフローに関連付ける

 

最後に、WhatsApp の電話番号を WhatsApp フローに関連付ける方法をご紹介します。

  1. これを行うには、[開始] ウィジェットをクリックし、使用する WhatsApp Business アカウントに関連付けられた電話番号を選択します。

 

 

2. 完了すると、WhatsApp を使用している顧客は貴社とのインタラクションを開始できます。


着信インタラクションの例

 

WhatsApp のユーザー

 

エンゲージメントに対応する Zoom Contact Center エージェント

 

WhatsApp テンプレート

 

WhatsApp メッセージ テンプレートは、24 時間対応のエンゲージメント強化にとって重要な役割を果たします。これらのテンプレートにより、[保存された返信] などの機能を活用して営業時間外でもスムーズなコミュニケーションが保証されます。

 

これらのテンプレートは、送信されるメッセージ タイプを定義するだけでなく、効率的な請求管理にも役立ちます。

請求は、a)会話が 24 時間を超えた場合、b)エージェントが別のテンプレート タイプに切り替えた場合にのみ影響を受けます。

 

WhatsApp の利用料金


WhatsApp の料金表には、サポート対象の各国における会話ごとに、各テンプレート タイプの詳細な料金情報が掲載されています。こちらからテンプレート タイプとサポート対象の各国に基づいて、料金の明確な内訳を把握できます。

 

主なメリット

  • 柔軟なチャネル アップグレード: エージェントは、WhatsApp の会話を音声通話やビデオコールへとシームレスに移行できるため、追加ライセンスなしで、別のチャネルへのスムーズな移行が可能になります。

  • 効率的な AI サポート: エージェントは、AI Companion を活用してリアルタイムの会話要約と感情分析を行い、さらに AI エキスパート アシストによりプロアクティブなガイドと重要なインサイトを得ることで、インタラクションの合理化と効率性の向上を実現できます。

  • 強化されたサポートと顧客体験: スーパーバイザーは、インタラクションにおける割り込み、モニタリング、引き継ぎの各機能を使用して、エージェントをリアルタイムでサポートできます。この機能により、迅速かつ情報に基づいた問題解決が可能になり、顧客満足度の向上と、よりパーソナライズされたサービス体験が実現します。

  • 包括的なレポート作成と分析: WhatsApp のインタラクションは Zoom Contact Center 内でシームレスにキャプチャされ、管理者に価値あるデータとインサイトを提供して、情報に基づいた意思決定を促進し、パフォーマンスを最適化します。